特定調停の概要
特定調停とは
特定調停とは裁判所での債権者と債務者の話し合いの手続きです。調停委員主導のもと、各債権者との今後の返済条件について合意を積み重ねます。おおよそ3年(最長で5年)をめどに返済できる返済計画を立てます。また利息制限法での引き直し(再計算)をすると、債務の減額や不存在の合意も得られます
特定調停の要件
・定期的な収入があり、毎月一定額の返済が可能な方
・支払意思のある方
固定資産税、住民税などは対象外となる。
自治体などで個別に相談
特定調停はあくまで民事調停の延長(特例)の手続きですので、公的な機関を対象に特定調停を申し立てる事はできません。自治体の該当窓口で支払方法の変更等を協議する事になる。
特定調停のメリット
●以下の形で債務額の減額や返済方法を変更する事ができる。
(1) ※法定利息に基づいて過去の取引に遡って引き直し計算をする事により、返済回数
(取引期間)が多ければ多い程、大幅な減額が期待できる。
※利息制限法で定められている貸し金の上限利率:
元本が10万円まで→年利20%まで、元本が100万円まで→年利18%、 それ以上→
年利15%。
(2) 返済計画案は基本は3年(例外として5年)でまとまるが、調停による返済計画
に将来利息が付かない。
(3) 滞納等により※期限利益を喪失して一括返済を求められていても回復する。
※期限利益:分割で返済できる権利。
(4) 場合によっては元本の減額もある。(業者次第で必ずというわけではない。)
●特定調停を申し立てた時点で業者は督促行為ができなくなる。
※根拠が貸金業規制法なので規制対象は貸金業者のみ。個人が債権者の督促は規制でき
ない。
●特定調停を申し立てた時点で、調停の結果で出るまで債権者への返済をしなくてよくなる。
●自己破産と異なり保証人に請求が行く形で迷惑をかける事がない。
※「連帯保証人」には請求が行く可能性があります。
●自己破産と異なり資産を失わなくてよい。
●比較的手続きが難しくなく、費用等も安くてすむ。
●債権者全員ではなく、債権者を選んで申立てできる。
●実際に返済不能でなくてもよい。(将来、返済不能になりそうであればよい。)
●強制執行や給与差し押さえ等の民事執行を停止させる事も可能。
●本人ではなく、調停委員が債権者と合意(和解)できるように積極的に働きかけてくれる。
特定調停のデメリット
●※信用情報機関に登録され、目安として5〜7年間は借金やローンができなくなる。
※信用情報機関:貸金業者等が融資や与信をする時に、申込者の信用情報を照会する機
関。
ブラックリストとはこの信用情報機関に信用面でマイナスの情報を登録される事。
●債権者が1件でも、応じないと不調になる(成立しない)。
●調停で合意した返済計画に基づく支払いを滞納すると、債権者が手にする「調停調書」
により強制執行を受けやすくなる。
●過払金の回収不能
過払い金が発生していたとしても特定調停の場においてはすべて不存在として扱われてし
まいます。過払金の返還を請求する場合には別途過払金返還請求訴訟が必要となります。
留意事項
@例えば5社から借入をして3社が東京の業者、2社が千葉県の業者の場合、東京の簡易裁判所
で申し立てる事になる。しかし、申立人の便宜を考慮して都合のよい簡易裁判所に申立てをし
ても柔軟に対処してくれることもある。
A基本的に3年間内での返済になるが、その間に滞納は許されないに等しいので今だけではなく
数年先の返済も視野に入れて返済できるか検討すること。
→特定調停で和解した後、滞納等をすると業者が手にする「調停調書」により、業者サイド
にとっては強制執行が容易になります。
B借入期間が長い(返済回数が多い)ほど、大幅な減額が期待できるが、その逆だと大幅な減額
は期待できないし、業者も和解に応じてくれない事が多々あります。
必要書類
・戸籍謄本
・住民票
・給与明細書・源泉徴収書
・生活保護や児童手当等、個的な扶助を受けている場合は、その証明書
・債権者(貸金業者等)との契約書や支払い明細書
・陳述書(調査票)
※住所・連絡先等の申立人の個人情報、生活状況、家族の状況等を記載。
・債権者(借入先)一覧表
※業者名・借入れ年月日・借入れ額・残高・最終弁済日・利息・使途・借入れ方法等を記載。
・家計表(直近1ヶ月分)
・資産目録
※動産、不動産、有価証券、退職金請求権等の有無、預貯金残高等の資産を記載。
・不動産登記簿謄本 不動産評価証明 車検証 預金通帳 保険証券 ゴルフ会員権等のコ
ピー
申立費用(大宮簡易裁判所の例)
@.収入印紙 債権者1社につき 300円
A.切手 債権者が1社の場合 80円×5 10円×5 合計450円
債権者が1社増えるごとに +450円
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